キルギスは中央アジアの国で、かつては、シルクロードの交易の拠点のなる街。
遊牧民族としての文化も残しながら、首都ビシュケクは街として発展しています。
雄大な自然や、山や湖の絶景。その美しさから、「中央アジアのスイス」とも呼ばれています。
顔も日本人とよく似ていて、親日的。観光客を温かく迎えてくれる雰囲気もキルギスの魅力のひとつ。
おすすめの旅行シーズンは、5月から10月ですが、これからご紹介する、ソンクル湖を訪れて、宿泊できるのは、6月下旬から8月下旬の短い期間。
湖を存分に楽しむには、キルギスの夏をおすすめしたいです。
それでは、ぜひ訪れて欲しいキルギスの観光スポットをお伝えします。

Contents
キルギスの首都、ビシュケク
キルギスの空の入り口となる「マナス空港」から車で約40分。
ビシュケクの中心部にある「アラトー広場」。大きなマナス王像が目印。

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奥に見える「国立歴史博物館」では、遊牧民としてのキルギスの歴史を感じられます。
休みの日には、この広場で大きな祝賀行事が行われたり、夏は噴水の周りに市民がくつろぐ憩いの場所にもなっています。
大きなコンサートホールである「フィラルモニア」では、広場や遊歩道でゆったり過ごせます。花壇の花もきれいに手入れされています。周辺には、ビシュケク市庁舎や大学などの施設もあり、人々が行き交い、美しい建物と共に景色を楽しめます。

緑豊かな、街の中心部エルキンディック通り。散策におすすめです。

ビシュケクで多くの観光客が訪れるのは、あちこちにある市場「バザール」です。新鮮な野菜、果物。豊富なナッツ類、ドライフルーツ。衣料品や生活雑貨も。
人も多くいつも活気に満ち溢れています。

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人が多いことでスリの被害などに注意する必要はありますが、それぞれのバザールに良さがあります。
なかでもおすすめしたのが、ビシュケクの南側にある「オルトサイ・バザール」。
おだやかな雰囲気で、ゆったり買い物を楽しめます。

キルギスのデパートである「ツム」「グム」。大型商業施設もいくつもあり、買い物を楽しめます。
ツムでは、電化製品、スマホ類、化粧品、衣料品、最上階の5階フロアでは、キルギスの土産品のお店が多数並んでいます。

市内には、大きなスーパーも多数あり。「グローブス」「フルンゼ」などが有名です。

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首都近郊、アラ・アルチャ国立自然公園
ビシュケク中心部から車で約40分。公園の入口ですでに標高1300メートルの「アラ・アルチャ国立自然公園」。


山々の景色、流れる川の水もきれいな、広大なトレッキングスポットです。
ここを起点に、カローナ峰(4,692メートル)の登山もスタートできます。
気候の良い季節には、キルギス人が家族でバーベキュー(肉を串に刺して炭火で焼く「シャシリク」)を楽しむ姿が多く見られます。
公園内には、滝もあり、この地ならではの高山植物とも出会えます。
首都から、この近さで味わえる雄大な大自然。お見逃しなく。
世界遺産ブラナの塔、アク・ベシム遺跡
ビシュケクから東に約60キロ。トクモクという町の近郊にある、「ブラナの塔」。
すでにこの地域にイスラムが定着した、11世紀のカラハン朝時代(10世紀~12世紀)の遺跡です。


当時、塔の高さが45メートルあったそうですが、15~16世紀の地震で一部崩壊し、現在は24.6メートル。
広々とした平原にそびえ立つレンガ造りの塔。今でも塔に上ることができ、キルギスの大平原を見渡すことができます。
広大な敷地内には、石人(人の顔を描いた石の像)が展示してあり、野外博物館になっています。
一つ一つの顔がユーモラスで、個性がある石人が点在しています。

そして、このブラナの塔から約6キロ先にある、「アク・べシム遺跡」

今では羊や馬が行き交う広い草原ですが、かつては、中央アジアの中心地、シルクロードの中間点として栄えた街だったことがうかがえます。
貴重な仏教寺院や城の跡などが残されていて、2014年には、近隣の中国やカザフスタンの遺跡と共に「シルクロード:長安~天山回廊の交易路網」として、世界遺産に登録されました。
2016年から2018年頃には日本の帝京大学シルクロード学術調査団も遺跡の発掘に貢献しています。
その発掘作業の様子なども含めて、2018年9月には、TBSテレビの「世界ふしぎ発見!」でアクべシム遺跡が取り上げられました。
この土地は、あの西遊記で知られる三蔵法師が訪れたことでも有名で、多くの研究者や歴史ファンがロマンを求めて訪れています。
一大リゾート地、美しき湖、イシク・クル湖
キルギスのビシュケクからは、車で約4時間。
標高約1,600メートル。遠くに天山山脈をのぞむ、琵琶湖9倍の大きさのある湖、「イシク・クル」。


アジアの内陸なのに、南国の海?と思ってしまうような美しい湖。清く澄んだ豊富な水をたたえ、バイカル湖に次ぐ世界第二位の透明度を誇ります。
イシク・クルの「イシク」は熱い、「クル」は湖の意味。
厳しい寒さでも凍結しないことで知られ、湖から流れ出る川が一本もないのに、増水・氾濫しないなど、神秘に満ちた湖でもあります。
キルギス独立まで、外国人の湖畔への立ち入りは禁じられていたので、「幻の湖」の別名も。
キルギスの地元の人はもちろん、カザフスタンやロシアからも訪れる程の人気観光地です。
湖畔では、ビーチがきれいに整備され、夏の間は湖で泳げます。
イシククル湖岸で一番にぎやかなエリアである「チョルポン・アタ」では、バナナ・ボートやパラセイリングを体験できる場所もあります。

高級なホテルから手頃な宿泊先まで、多数あり。ビシュケクから出発して、1泊から楽しめますが、数日間かけて湖を周遊するのもおすすめです。
イシク・クル周辺の町にも魅力的な観光地が点在。
赤い岩が連なる荘厳な景色が魅力の「キルギスのグランドキャニオン」と呼ぶ人もいる「スカスカ」

キルギスの移動式住居「ユルタ」に泊まる体験ができる施設も多数あります。
写真は、そのひとつ、ボコンバエバ村からほど近い「ベルタム・ユルタ・キャンプ」。

イシククルは、自然あふれるキルギスのイチ押し観光地です。
標高3,000メートル、神秘の湖、ソンクル湖
夏のリゾート地として多くの人でにぎわうイシククル湖とは対照的に、静寂の湖である「ソンクル湖」。
標高が3,000mあり、世界でも屈指の高地に位置します。
あるのは、湖と山々の景色とユルタ、そして馬たち。

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湖周辺に点在するユルタに宿泊し、キルギスの素朴なのにおいしい手作りの料理でのもてなしを受け、馬に乗ることもできます。
雄大な景色と静寂の中に身を置き、ゆったりとした時間が流れます。
夏の限られた時期(6月下旬~8月)のみ、宿泊可能。
天気に恵まれれば、美しい夕日や、満点の星空に出会えます。
8月中旬に訪れた際には、冬用の防寒着が必要なほど、冷え込みました。
夏場であっても、十分な防寒が必要になります。
キルギスで味わえる、大自然の醍醐味。
人生で一度は訪れてみて欲しい絶景です。

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イシククル周辺カラコルの人気の山、アルティン・アラシャン
イシククルの東端に位置する町、カラコル。さまざまな登山の拠点となる町です。
夏の間、標高約3,000mの「アルティン・アラシャン」は、特に人気のトレッキングスポット。
アラシャン川の渓谷添いにある温泉地に、さまざまな国からの観光客が訪れます。

山の中の温泉地にたどり着くには、16㎞のトレッキングが必要です。
高山植物を眺めながら、ゆっくりトレッキングをするのが、おすすめ。
トレッキング以外で行くことができるのは、山道を走れるオフロード用トラックのみ。現地で手配することができます。
美しい山、川の景色を眺めながら、進んで行くと少しずつ景色が変わります。

登った先では、乗馬を楽しめる場所もあります。
宿で宿泊も可能ですし、トラックを利用して、日帰りも可能。


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標高の高いアルティン・アラシャンは夏場でも夜はぐっと冷え込みます。
厚着をして外に出てみると、満点の星空を見ることができます。
宿では個室の温泉小屋がいくつかあり、宿で鍵を借りて、指定された番号の小屋で入浴できる仕組みです。
カラコルの町自体もちょっとした観光地です。
町の中心部にある「バザール」
ロシア正教の教会である木造の「聖三位一体教会」

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中国系のイスラム教徒が建てたカラフルに装飾された木造のモスク「ドゥンガン・モスク」

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アク・スー村にある眺めの良い日帰り温泉施設も。

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カラコル中心部に、日本人女性とキルギス人男性のご夫婦が営む「松の木ゲストハウス(matsunoki guest house)」があり、おすすめです。

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ぜひ、キルギスを訪れてみてください。
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